トヨタファイナンスは、自動車メーカー大手のトヨタ自動車の系列会社で、自動車販売における金融事業を行っています。
自動車購入にかかる資金を融資するカーローンのサービスを中心に、クレジットカードの発行や保険事業も取り扱っています。
トヨタファイナンスで融資を受ける際には会社側の審査を受ける必要があります。
トヨタファイナンスが実施する審査について、通りやすくする方法や審査の申込手順などについて紹介をします。
この記事でわかること
- トヨタファイナンスカーローンの審査基準は3つ
- 審査に通りやすくするためには借入額を減らすなどの方法がある
- カーローンは4種類ある
- 金利は販売店により異なる
- トヨタファイナンス以外のマイカーローンを選択することも可能
トヨタファイナンスカーローンの審査基準|3つのポイント
トヨタファイナンスの公式サイトでは、18歳から70歳までの安定した収入があることを条件として提示しているものの、トヨタファイナンスカーローンの審査基準は、明確に提示されていません。
カーローンの審査において一般的に重視されると考えられるポイントは、以下の3つであると考えられています。
- 支払い能力
- 信用情報
- 資産保有状況
カーローンに限らず、融資のサービスを受ける際には一般的に重視されるポイントであるため、自身の状況をあらかじめ確認しておきましょう。
支払い能力|年収・勤務先
融資を受けた後の返済を行う支払い能力は、審査において重視されるポイントの1つと考えられます。
支払い能力をチェックする場合に重視されるのは、年収や収入の安定性、勤務先の財務状況や勤続年数などが該当します。
単に年収の金額だけでなく毎月定額の収入があるかなど、安定性も重視されます。
したがって、アルバイトや派遣社員よりは正社員として働き、勤続年数がある程度経過している方のほうが審査に通りやすくなります。
また、トヨタファイナンスの場合はカーローン申し込みをする本人に安定収入がなくても、連帯保証人を立てればローンが利用できます。
連帯保証人を立てる場合、連帯保証人の生活状況を審査される点は理解しておきましょう。
信用情報|過去の信用事故がないか
過去に信用情報上の事故があった場合は、カーローンの審査に通らない可能性が非常に高くなります。
信用情報とは、クレジットカードや各種ローンなど、金融商品の利用履歴のことを指します。
トヨタファイナンスはローンの申し込みを受けたときに、信用情報機関に照会して申込者の過去の信用情報を必ず確認します。
過去にクレジットカードやローンの返済遅延の履歴や債務整理の実績がある場合は、審査に通らない可能性が高いです。
カーローン申し込みの際に、他のローン利用状況や債務残高を問われますが、虚偽の内容を申告しても必ずばれるため、申し込みの際にはすべて正直に申告するようにしましょう。
資産保有状況|自動車や不動産
自動車や不動産などの資産は担保として取り扱いが可能であるため、保有していると審査を受けるうえで有利に働きます。
自動車は、トヨタファイナンスカーローンで購入する自動車も保有資産として該当します。
カーローンの融資は高額になることが多いため、担保として扱える資産の保有状況は審査をするうえで重要視されています。
トヨタファイナンスカーローンの審査に通りやすくする方法
トヨタファイナンスカーローンの審査に通りやすくするために行なうべきこととしては、以下の5つのポイントがあります。
- 頭金を支払い借入額を減らす
- 他の負債を減らす|カードローンなど
- 勤続年数を延ばす
- 連帯保証人を立てる
- 虚偽の申告をしない
審査に通る可能性を少しでも高めるため、事前に対処できることはしておきましょう。
頭金を支払い借入額を減らす
自動車の購入及びトヨタファイナンスカーローンの申し込みをする際に、購入する自動車の代金に対して頭金を支払い、カーローンの借入金額を少しでも減らしておくと審査に通りやすくなります。
さらに頭金を支払うことで、借入金額を減額できます。
借入金額が少ない方が審査に通りやすくなるため、資金に余裕のある場合は頭金を支払い、借入金額を減らすようにしましょう。
他の負債を減らす|カードローンなど
トヨタファイナンスカーローン以外の各種ローンの残高がある場合は、それらを返済して残高を減らしておいた方が審査に通りやすくなります。
前述のように、融資サービスを行なう業者は信用情報機関に照会をして、申込者の信用情報を入手し内容を精査します。
トヨタファイナンス側が信用情報機関から取得する情報は、現在の借入債務残高も含まれるため、多くの債務が残っている場合は審査を受けるうえで不利になります。
もし申し込みをする前に返済できる余力があるならば、返済を行なって債務残高を減らしておきましょう。
勤続年数を延ばす
勤務している会社での勤続年数を延ばすことで、カーローンの審査に通りやすくなります。
トヨタファイナンスカーローンの審査において、安定した収入があることが重要な要件になります。
同じ会社に長く継続して勤務しているということは、それだけ生活が安定している証明になります。
就職して間もないタイミング、あるいは転職直後のタイミングなど、同じ会社で長く働けるかはっきりわからない状況では審査に通りづらくなります。
しばらく同じ勤務先で働いて勤続年数を伸ばしてからトヨタファイナンスカーローンの申し込みをすれば審査に通る可能性は高まります。
連帯保証人を立てることで収入がない人でも申し込みできる
連帯保証人を立てて申し込みをすることで、安定収入のない方でも審査に通る可能性があります。
連帯保証人とは、ローンの申し込みをした本人が返済できなくなった場合に、本人に代わりに債務返済の義務を負う立場の人のことを指します。
アルバイトや自営業者、転職したばかりの方など、収入の安定性という面で不安を感じる場合は、親族などに連帯保証人になってくれる人がいないか検討しましょう。
連帯保証人を立てた場合、審査を受ける際に申込者本人に加え、連帯保証人についても収入や勤務先・信用情報の審査を受けることになります。
連帯保証人の依頼をする相手は、可能な限り勤続年数が長く安定した収入のある人を選ぶことが重要です。
虚偽の申告をしない
ローン申し込みをする際に虚偽の内容を申告したことが発覚すると、トヨタファイナンス側の信用を失うことになり、審査に通ることが非常に難しくなります。
審査を受けるにあたって不利な内容があるからといって、それを隠して申し込みをすることは避けましょう。
特に過去のローン返済遅延などの信用情報は、トヨタファイナンス側も信用情報機関に確認をするため、隠して申し込みをしても高い確率で判明するため、正直に申し込みをしましょう。
また、申込内容が間違っていた場合も虚偽の申告とみなされることがあります。
審査に必要な書類などを提出する際には、間違いのない正確な情報を提出しましょう。
カーローンとカードローンの違い|カーローンのほうが審査に通りやすい
自動車を購入する資金を用意するにあたって、カーローンにこだわる必要はありません。
例えば、融資を受ける選択肢としてはカードローンがあります。
業者によっては審査時間が非常に短く、高額の借り入れを受けられるため、利用しやすい金融サービスです。
しかし、一般的にカーローンの方がカードローンに比べて審査に通りやすいといえます。
カーローンの方がカードローンに比べて審査に通りやすい理由として、以下の2点があります。
- 自動車が担保になる
- 頭金が払える
自動車が担保になる
カードローンのほとんどが無担保での申し込みになるのに対し、カーローンの場合は購入予定の自動車を担保として取り扱いできます。
担保があるということは、仮にサービス利用者がローン返済をできなくなったとしても、担保に設定している資産を換金して貸付金の回収に充てられるということになります。
自動車は乗用に活用する道具であるとともに、売却して金銭に変えられる資産でもあります。
つまり担保としての価値は十分にあるため、無担保のカードローンに比べて自動車を担保にできるカーローンの方が審査に通りやすいということです。
頭金が払える|借入金額を減らせる
カーローンを申し込む際には、頭金を支払って借入金額を減らすことが可能です。
借入金額が少ない方が審査に通りやすくなる可能性があるため、頭金を払える金銭的余力がある場合は、カードローンよりもカーローンの方が有利に審査に臨めます。
また、借入希望金額が収入金額と比較して高すぎる場合、安定した収入がある場合でもカーローンの審査に通らない可能性が高くなります。
カーローンの業者は、審査の結果で貸し付けできる上限額を設定し、それ以上の金額の借り入れの申し込みについては審査を通さない対応を取ります。
トヨタファイナンスにおける貸付上限額の設定基準については明示されていませんが、高額の自動車を購入する際には可能な限り頭金を契約時に支払い、ローンで借り入れする金額を減らすことを検討しましょう。
トヨタファイナンスカーローンのサービス内容
トヨタファイナンスのカーローンには以下の4種類があります。
- 残価設定型クレジット
- 残額据置き払い
- トヨタの自動車クレジット
- 支払額可変クレジット
参照元:クルマまわりのクレジット
毎月の返済額や完済後の自動車の取り扱いなど、それぞれに違いがあるため、トヨタファイナンスのカーローンを利用する際にはそれぞれのローンの内容を理解して、自分に合ったぴったりのものを選択しましょう。
トヨタファイナンスカーローンの一覧
ローンの種類 | 取扱金額 | 支払回数 | 支払方法 |
---|---|---|---|
残価設定型クレジット | 10万円以上(月々3,000円以上) | 12〜84回 | 毎月均等払い・ボーナス併用払い |
残額据え置き払い | 10万円以上 | 2回(1~5年据え置き) | 2回による一括払い |
トヨタの自動車クレジット | 10万円以上(月々3,000円以上) | 原則3回〜72回 | 毎月均等払い、不均等払い、ボーナス併用払い |
支払額可変クレジット | 10万円以上(月々3,000円以上) | 原則3~96回 | 毎月均等払い、ボーナス併用払い |
残価設定型クレジット|車両価格の一部を残す
残価設定型クレジットは、車両本体価格の一部をあらかじめ残価として設定し、残価以外の残りの金額を毎月分割で支払いをしていく方式です。
毎月の返済額を抑え、負担を軽くできるのが特徴です。
残価として残した部分は最終の支払いの際に精算することになりますが、以下の3通りの方法から選択ができます。
- 同じ販売店で新しい自動車に乗り換え
- 自動車を返却
- 一括精算で購入
新しい自動車に乗り換え、あるいは自動車を返却の方法を選択した場合、自動車を返却することにより最初に設定した残価は支払いする必要がなくなります。
一定年数で乗り換えをすることが決まっている方や、新車に乗ることにこだわりたい方におすすめの方法です。
残額据え置き払い|支払いは2回のみ
残額据え置き払いは、購入時と契約満了時の2回で自動車代金の精算をする方法です。
購入時の初回支払い時に割賦手数料と車両本体代金を支払い、毎月の分割払いはありません。
残価として据え置いた代金の精算は残価設定型クレジットと同様、以下の3通りになります。
- 同じ販売店で新しい自動車に乗り換え
- 自動車を返却
- 一括精算で購入
購入手続き時にまとまった資金を用意できる場合におすすめの方法です。
購入時に用意しなければならない金額は、購入する車種や利用する販売店によって異なるため、事前に販売店に確認しておきましょう。
トヨタの自動車クレジット|通常の分割払い
トヨタの自動車クレジットは、購入する自動車の代金を契約満期日までに毎月分割で支払っていく方式で、通常の分割払いです。
3回から72回の支払いの中で、自由に分割回数を設定できます。
さらに、通常の毎月一定額を支払う均等払いから、ボーナス月に高額を返済するボーナス払い、毎年3月と9月に多めに返済をするなど自由に返済額を設定できる不均等払いまで、選択することが可能です。
トヨタの自動車クレジット は、自由が高く資金計画が立てやすい返済方式です。
返済が終わってからも継続して購入した自動車に乗り続けることを前提にしています。
支払額可変クレジット|Webで手軽に設定変更できる
支払額可変クレジットは、Web上で簡単に各種設定の変更ができる便利な方式です。
基本的にはトヨタの自動車クレジットと同様、自動車の代金を分割で返済していく方式です。
返済の途中で、繰上返済の手続きや毎月の返済額を増額して完済時期を早めるなどの手続きを簡単にWeb上で行えます。
他の返済方式の場合、繰上返済や完済の手続き、毎月の返済額の増額などの手続きをする際には販売店に赴いて対面で手続きをする必要がありますが、支払額可変クレジットの場合はこれらを手軽にWeb上で実行できます。
支払額可変クレジットの場合、支払い回数を最大96回(8年)に設定できるため、毎月の負担額を抑えられるというメリットがあります。
支払額可変クレジットにおける条件変更は、一部繰上返済を含めて5回までで、条件変更にかかる手数料は発生しません。
一部繰上返済は一回あたり3万円以上の返済が可能です。
毎月の収支状況に応じて細かく繰上返済をしたい方や、将来的に収入が増えてくる見込みがあり、その都度返済条件を変更したい方などにおすすめの方法です。
トヨタファイナンスの金利|販売店により異なる
トヨタファイナンスで借り入れを受ける際に適用される金利は、販売店により異なります。
同じ自動車を購入する場合でも、販売店によって金利などの条件が異なることがあります。
特に高額の自動車を購入する際には、複数の販売店に問い合わせをして、各種条件を確認することをおすすめします。
また、トヨタファイナンスの金利だけではなく、車両価格自体も販売店によって異なるケースがあるため、少しでも自動車購入時の負担を減らしたい場合は、店舗ごとの価格を比較してみましょう。
例えば、2022年6月現在トヨタモビリティ東京では年率5.8%と設定されています。(2022年6月現在)
トヨタファイナンスカーローンの申込手順と審査の流れ
トヨタファイナンスカーローンの申込手順は、以下の流れです。
- 利用するローンの種類を選択
- 審査を受ける|最短即日で結果をもらう
- 契約・支払い開始
利用するローンの種類を選択
カーローンの申し込みにあたり、まずは利用するローンの種類を選択します。
次に以下4種類のカーローンの中から、希望に合うものを選択しましょう。
- 残価設定型クレジット
- 残額据え置き払い
- トヨタの自動車クレジット
- 支払額可変クレジット
販売店では、それぞれの特徴を詳しく説明してくれるため、しっかりと比較して自分に合っているカーローンを選択しましょう。
審査を受ける|カーローンに申し込み後最短即日で審査結果が出る
トヨタファイナンス所定の書類に必要事項を記載して申し込みを終えたら、トヨタファイナンスによる審査を受けます。
審査結果は最短即日で販売店の営業担当者から連絡を受けます。
無事審査に通過した後はしたら、引き続き契約へ進みます。
契約・支払い開始|「お支払金一覧表」で支払い予定を確認
トヨタファイナンスが用意する契約書面に必要事項を記載すれば、契約は完了です。
契約した条件に則って支払いが開始されます。
支払いの予定は、契約時に用意される「お支払金一覧表」に基づいて実施されます。
支払い方法は、原則銀行口座からの自動引き落としです。残額据え置き払いを選択した場合は、自動引き落としではなく別の方法を用います。
販売店により支払い方法は異なるため、事前に確認しておきましょう。
トヨタファイナンス以外のカーローンを利用する選択肢もある
トヨタファイナンスのカーローンを利用して自動車を購入する方法以外に、銀行などの金融機関が提供する自動車購入専用ローンを利用する選択肢もあります。
トヨタファイナンスのカーローンように、自動車販売店とセットで申し込みができる金融サービスをディーラーローンと呼び、銀行の自動車購入専用ローンはマイカーローンなどと呼ばれています。
ディーラーローンと銀行マイカーローンの特徴
ディーラーローン | 銀行マイカーローン | |
---|---|---|
審査基準 | 甘め | 厳しめ |
金利 | 比較的高いことが多い例:ホンダファナンス 3.5% | 比較的低いことが多い例:常陽銀行 0.95~0.235% |
審査時間 | 即日対応可能 | 1~3営業日かかることが多い |
車の所有権 | 返済が終わるまでディーラー側にある | 購入者 |
返済期限 | 短め(最長8年) | 長め(最長10年) |
トヨタファイナンスのようなディーラーローンの場合は、販売店での購入手続きに合わせてカーローンの手続きができる点や、自動車を担保にして審査に臨めるといったメリットがあります。
しかし、金利の面では銀行など他の金融機関のマイカーローンの方が有利であることが多いです。
手続きに時間的な余裕があり、厳しい審査にも対応できる人の場合は、銀行などのマイカーローンを利用するほうが有利に資金確保できる可能性があります。
代表的なディーラーローン・銀行マイカーローンの金利
ホンダファイナンス | 3.5% |
---|---|
常陽銀行マイカーローン | 0.95~0.235% |
横浜銀行マイカーローン | 0.9~2.4% |
ちばぎんマイカーローン | 0.85~2.55% |
トヨタファイナンスの審査は通りやすいが金利は高め|支払う総額からカーローンを選ぼう
トヨタファイナンスカーローンは、購入する自動車を担保にできる点や、頭金を支払うことで借入額を減らせる点から、審査に通りやすいローンと言えます。
また、残価設定型のローンなど、毎月の負担額を軽減できる借入方式もあり、選択肢が広い点も特徴です。
しかし、銀行など他の金融機関が取り扱うマイカーローンに比べて金利が高い傾向にあります。
例えば、トヨタモビリティ東京では年率5.8%と設定されています。(2022年6月現在)
トヨタファイナンスにこだわるのではなく、他のローンとも比較して、自分に合ったサービスを選択しましょう。することをおすすめします。